危険感受性の向上(国民強靭化)

いつも『安全は人なり』つまり『危険感受性に富んだ人』を育成するように事業者を指導しています。講演では公共乗り物の事故、遊具の事故、海、川などでの事故、自然災害等も取り上げています。これらの事故・災害は労働災害と共通した要因で起こります。今回の広島での災害は『未曽有の大雨が降った』ことが自然現象であり、それに付随して起こった建物被害や住民の被害は人的災害と考えています。人的というのは関係するすべての人を指します。その人たちに『危険感受性(危機意識)』がもう少しあれば、被害を減らすことができたと考えます。伊豆大島の災害はまだ記憶に新しいが、人は何を反省して、何を学んで、何を生かして来たのだろうか? 群馬大の片田教授(釜石の奇跡)が『国民強靭化』が必要とお話されていますが、まさしく『危険感受性の向上』は『国民強靭化』であります。日本は現在『命を守る』ことが他人任せになっています。『自分の命は自分で守る』ことを教え込んでいかなくてはならないと感じています。労働の面でも『労働者の安全は事業者が守る』という誤解があります。すべては『労働者の自己安全義務』のもとに成り立っているものです。ハード面の対策(国土強靭化)も必要ですが、ソフト面の対策、すなわち関係するすべての人の『危険感受性の向上』こそが最も重要な施策であります。『危険』という感受性が向上すれば、関係する行政も自治体も住民も潜在する危険性を予見して一歩先をゆく対策が講じられるものです。